女殺し屋・悲哀の物語・・・
命あるものの温もりに気づいたとき、
彼女の人生最後の死闘がはじまる――
韓国文学史上、前例のない“60代女性の殺し屋”を主人公に据え、ベストセラーとなった小説『破果』(著︓ク・ビョンモ)。ニューヨークタイムズによる「注目すべき本100選」にも選定され日本だけではなく世界13ヵ国で翻訳され世界中で読まれている。本作を原作とした、斬新で切なく、そして力強い物語が韓国でミュージカル化。命あるものの温もりに目覚めたとき、彼女の“人生最後の死闘”が幕を開ける――。
韓国本国では2024年3月に初演を迎え、演出イ・ジナ(『ジーザス・クライスト・スーパースター』他)、音楽イ・ナヨン(『Next To Normal』他、台本チャン・へジョン、イ・ジナら実力派クリエイターが集結。観客の心を揺さぶる傑作として大きな反響を呼んだ。
そして2026年、ついに――待望の日本公演が、新国立劇場・中ホールにて開催することが決定した。主演の女殺し屋「爪角(チョガク)役には、花總まりが決定。多数のミュージカルに出演し、多様な人物を演じてきた彼女が、今回初めての殺し屋役で、激しい殺陣・アクションに挑戦する。また、かつて家族を殺した「爪角」に復讐を誓う青年「トゥ」役には、同じくミュージカル界の第一線を走り続ける浦井健治の出演が決定。花總と浦井は本作が初めての本格ミュージカルの共演となる。そのほか、同じくミュージカル界で活躍する中山優馬、熊谷彩春のほか、武田真治ら個性豊かな出演者陣が華を添える。
STORY
人生のほとんどをプロの暗殺者として生きてきた爪角(チョガク)。超一流の暗殺者であった彼女も年を重ね、身体の衰えから引退を決意する。今まで守るべきモノを作らず独りで生きてきたが、捨てられていた老犬や心を開いて接してくる近所の家族など気がつけば守りたいモノができていた。喜怒哀楽とは無縁の孤独な人生を送るつもりが、他人の痛みを感じるようになりいつしか心にぬくもりを求めるようになっていく…
そんな中、過去の記憶から突如現れた、爪角に復讐を誓った者が現れれ、心を許した近所の子供を連れ去った…
人生で初めて誰かのために戦うことを決意した彼女に待ち受けるものとは?!
原作「破果」
ク・ビョンモ 著 小山内園子 訳 出版社:岩波書店
改訂版が2018年に刊行
第15回翻訳ミステリー大賞受賞(2024年)
台湾、イタリア、フランス、アメリカ、ドイツ、ポーランド、日本などで翻訳刊行。2013年に初版が出版され13ヶ国に版権販売。 ニューヨークタイムズによる「注目すべき本100選」に選定、全世界で読まれるロングセラーとなっている。また、「破果」を原作とした映画「破果」は、ベルリン国際映画祭をはじめとする世界有数の映画祭に招待された。